公的一次情報にもとづく実務ガイド最終確認 2026-07-24

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改葬許可申請の手順と必要書類——申請先は「今のお墓がある市区町村」です

遺骨を今のお墓から別のお墓や納骨堂へ移す(改葬する)には、「墓地、埋葬等に関する法律」にもとづく改葬許可が必要です。結論を先にお伝えすると——申請先は「今のお墓がある市区町村」で、必要な書類は主に①改葬許可申請書、②今の墓地の管理者による埋葬(埋蔵)証明、③移転先の受入証明の3点です。手数料は無料〜数百円の自治体が多く、流れは「受入先を決める→証明をもらう→市区町村に申請→改葬許可証を受け取る」の4ステップ。この記事で順に整理します。

改葬許可とは——法律で決まっている「お墓の引っ越し」の手続き

改葬とは、埋葬した遺体や、お墓・納骨堂に納めた遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移すことです(墓地、埋葬等に関する法律 第2条)。いわゆる「お墓の引っ越し」で、墓じまいにともなって遺骨を移す場合も、これに当たります。

そして同法第5条は、改葬を行おうとする者は市町村長(特別区の区長を含む)の許可を受けなければならないと定めています。つまり改葬は、当事者同士の合意だけで自由にできるものではなく、役所の許可が要る法定の手続きです。許可を受けずに遺骨を勝手に移すと、同法の罰則の対象になりうるとされています。「身内のお骨なのだから」と自己判断で運び出す前に、必ず許可を取りましょう。

もう一つ大事なのが申請先です。第5条は、改葬の許可は「死体又は焼骨の現に存する地」の市町村長が行うと定めています。かみくだくと、移転先ではなく「今のお墓がある市区町村」に申請するということです。遠方の田舎のお墓を近くに移すケースでは、申請先はその田舎の市区町村になります(多くの自治体は郵送申請に対応していますが、可否や方法は自治体により異なります)。

どんなときに改葬許可が必要か

改葬許可が必要になる典型的なケースは、次のとおりです。

  • お墓から別のお墓へ遺骨を移す(墓じまいして新しいお墓へ、など)
  • お墓から納骨堂へ移す(屋内納骨堂・樹木葬区画などへの住み替え)
  • 納骨堂から別のお墓・納骨堂へ移す

要するに、すでにお墓や納骨堂に納まっている遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移すなら改葬許可が必要、と考えておけばまず間違いありません。

一方、判断が分かれやすいのが手元供養や散骨です。法律上の「改葬」は、他のお墓(墳墓)や納骨堂へ移すことを指すため、遺骨を自宅に引き取る手元供養や、粉骨して海などにまく散骨は、法律上の改葬には当たらないとする運用が一般的です。ただし、この扱いは自治体によって運用が異なり、改葬許可申請を求める自治体や、代わりに独自の証明書(遺骨引渡し証明など)を発行する自治体もあります。手元供養・散骨を考えている場合は、必ず今のお墓がある市区町村に事前に確認してください。

なお、遺骨の一部だけを分けて別の場所に納める「分骨」は改葬とは別の手続きで、墓地管理者などが発行する分骨証明書を使います。混同しやすいので注意しましょう。

墓じまい全体の流れ(お寺との話し合い、離檀、墓石の撤去、費用など)は、別記事「墓じまいの手順と費用」で詳しく解説しています。この記事では、その中核となる役所手続き=改葬許可申請に絞って進めます。

改葬許可証のもらい方——手順4ステップ

改葬許可証を手にするまでの流れは、大きく4ステップです。順番が大事で、特に「受入先を先に決める」ことがポイントです。

①受入先(新しいお墓・納骨堂)を決め、受入証明書をもらう

まず、遺骨の移転先を決めます。新しい霊園・納骨堂と契約すると、受入証明書(永代使用許可証・墓地使用許可証などの名称の場合もあります)を発行してもらえます。これは「この遺骨をうちで受け入れます」という移転先の証明で、多くの自治体が改葬許可申請の添付書類として求めています(必要かどうか、どの書類で代用できるかは自治体により異なります)。

「今のお墓を先に片づけてから次を探そう」と考えがちですが、受入先が決まっていないと申請が進まないのが原則です。順番は必ず「受入先が先」です。

②今の墓地の管理者から埋葬(埋蔵)証明をもらう

次に、今のお墓の管理者(寺院墓地なら住職、公営・民営霊園なら管理事務所)に、埋葬証明書・埋蔵証明書(焼骨の場合は「埋蔵」、納骨堂の場合は「収蔵」)を発行してもらいます。これは「この遺骨が確かにここに納められています」という証明で、法律の施行規則で管理者の証明が申請の要件とされています。

実務では、自治体の改葬許可申請書の中に管理者の証明欄が印刷されていて、そこに署名・押印をもらう方式も多くあります。この場合は、先に③の申請書を入手してから管理者に記入を依頼する流れになります。様式は自治体ごとに違うので、まず申請先の市区町村のホームページで申請書を確認するのが近道です。

寺院墓地の場合、証明の依頼は事実上「お墓を移します」という意思表示になります。証明をもらう前に、お寺へ改葬の相談を済ませておくのが、後々もめないための実務の勘どころです。

③今のお墓がある市区町村へ改葬許可申請をする

受入証明と埋葬(埋蔵)証明がそろったら、改葬許可申請書に必要事項を記入し、今のお墓がある市区町村の窓口(環境衛生・市民課など、自治体により担当課名は異なります)へ提出します。申請書には、おおむね次のような事項を記入します。

  • 亡くなった方(死亡者)の本籍・住所・氏名・性別
  • 死亡年月日
  • 埋葬または火葬の場所・年月日
  • 改葬の理由(「墓地承継者の住所地の近くに移すため」など簡潔で構いません)
  • 改葬先(移転先の墓地・納骨堂の名称と所在地)
  • 申請者の住所・氏名、死亡者との続柄、墓地使用者との関係

古いご遺骨では死亡年月日や埋葬年月日が分からないこともありますが、その場合の扱いは後述します。多くの自治体で郵送申請が可能なので、遠方の場合は電話やホームページで郵送の可否・返信用封筒の要否を確認しましょう。

④交付された改葬許可証を、受入先に提出する

申請に問題がなければ、市区町村から改葬許可証が交付されます(即日〜数日程度が目安ですが、自治体によります)。この改葬許可証は、遺骨を取り出すときに今の墓地管理者へ提示し、納骨のときに移転先の管理者へ提出します。移転先は、改葬許可証がないと納骨を受け付けられません。遺骨1柱ごとに必要になる大切な書類なので、納骨の日まで失くさないよう保管してください。

必要書類の一覧

改葬許可申請でそろえる書類を、あらためて一覧にします(必要書類の細部は自治体により異なります。必ず申請先の市区町村で確認してください)。

  • 改葬許可申請書(申請先の市区町村の様式。ホームページからダウンロードできる自治体が多い)
  • 埋葬証明書・埋蔵(収蔵)証明書(今の墓地・納骨堂の管理者が発行。申請書内の証明欄に記入してもらう方式の自治体もある)
  • 受入証明書(移転先の墓地・納骨堂が発行。墓地使用許可証・契約書の写しで代用できる自治体もある)
  • 申請者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど。窓口・郵送の別により扱いが異なる)

これに加えて、次のケースでは追加書類が必要です。

  • 申請者が「墓地使用者」と別人の場合:墓地使用者(お墓の名義人)の承諾書が必要です。たとえば、お墓の名義はおじのままで、あなた(甥・姪)が申請するようなケースです。法律の施行規則でも、墓地使用者以外が申請するときは使用者の承諾書(または争いがある場合の確定判決の謄本)を添えることとされています。
  • 死亡者と申請者の関係を確認される場合:続柄が分かる戸籍などの提出を求める自治体もあります。

費用——手数料は無料〜数百円の自治体が多い

改葬許可申請そのものの手数料は、無料の自治体が多く、有料でも1通あたり数百円程度(300円前後など)が一般的です。金額は自治体により異なるので、申請先の市区町村で確認してください。

ただし、これはあくまで役所の手数料の話です。改葬全体では、埋葬(埋蔵)証明の発行料(無料〜数千円程度が目安)、遺骨の取り出しや墓石の撤去工事、お寺への離檀料やお布施、移転先の契約費用など、役所手数料以外の費用のほうがはるかに大きくなります。全体の費用感は墓じまいの記事で整理しています。

つまずきやすいポイント3つ

①古い遺骨で、死亡年月日や埋葬の記録が分からない

先祖代々のお墓では、「誰がいつ埋葬されたか」の記録が残っていないことがよくあります。この場合でも改葬をあきらめる必要はありません。多くの自治体で、申請書に「不詳」と記入する、分かる範囲で記入する、事情を記した申立書を添える、といった運用で受け付けています。法律の施行規則にも、管理者の証明書に「準ずる書面」で対応できる余地が定められています。まずは申請先の市区町村の窓口に事情を相談してください。

②今の墓地の管理者と連絡が取れない・管理者がいない

山間部の共同墓地などでは、管理者が誰か分からない、すでに管理する人がいない、というケースもあります。埋葬(埋蔵)証明は管理者の証明が原則ですが、管理者が存在しない場合の扱いは自治体の判断になります。こちらも、自己判断で進めずに今のお墓がある市区町村に相談するのが唯一の正攻法です。

③複数のご遺骨をまとめて移したい

先祖代々のお墓の墓じまいでは、5柱、10柱とまとめて改葬することも珍しくありません。改葬許可は遺骨1柱ごとに必要で、1柱につき申請書1枚とする自治体が多い一方、1枚の申請書に複数柱を連記できる様式の自治体もあります。柱数が多い場合は、申請前に様式と記入方法を窓口に確認すると、書き直しの手戻りを防げます。

まとめ

改葬許可申請の要点を整理します。

  • 改葬(お墓の引っ越し)には、墓地埋葬法にもとづく市区町村長の許可が必要。無許可の改葬は罰則の対象になりうる
  • 申請先は「今のお墓がある市区町村」(移転先ではない)。郵送対応の自治体が多い
  • 手順は4ステップ:①受入先を決めて受入証明書 → ②今の管理者から埋葬(埋蔵)証明 → ③市区町村へ申請 → ④改葬許可証を受入先へ提出
  • 必要書類は主に3点:申請書+埋葬(埋蔵)証明+受入証明。申請者が墓地使用者と別人なら承諾書も
  • 手数料は無料〜数百円が多いが、自治体による
  • 手元供養・散骨の扱い、様式、必要書類の細部は自治体差が大きい。必ず申請先の市区町村で確認を

順番さえ間違えなければ、改葬許可申請そのものは決して難しい手続きではありません。「受入先が先、取り出しは許可証が出てから」——これだけ押さえて、落ち着いて進めましょう。


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出典・参考

※本記事は一般的な制度・手続きの説明であり、個別の法律相談ではありません。申請書の様式・必要書類・手数料・郵送の可否、手元供養や散骨の扱いは執筆時点(2026年)の一般的な情報で、自治体により異なります。実際の手続きの際は、必ず今のお墓がある市区町村の窓口・公式サイトでご確認ください。

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