公的一次情報にもとづく実務ガイド最終確認 2026-07-24

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葬祭費・埋葬料の申請は誰が・いくら・いつまで?国保と健保で違う「もらえるお金」を解説

家族が亡くなって葬儀を行うと、加入していた公的医療保険から葬祭にかかる費用の一部が給付されます。結論を先にお伝えすると——故人が国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者なら「葬祭費」(喪主などに支給、自治体によりおよそ1〜7万円)、会社員などの健康保険(協会けんぽ・健保組合)の加入者なら「埋葬料・埋葬費」(原則5万円)が受け取れます。どちらも申請しないともらえず、期限は原則2年です。窓口は、葬祭費が市区町村、埋葬料が協会けんぽ・健保組合と分かれます。この記事で、あなたがどちらの対象で、何を・いつまでに・どこで手続きすればよいかを整理します。

葬祭費とは(国民健康保険・後期高齢者医療の場合)

葬祭費は、国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなったとき、その葬祭(葬儀)を行った人に対して、市区町村(後期高齢者医療は広域連合)から支給される給付金です。

自営業の方やその家族、退職して国保に移った方、そして原則75歳以上で後期高齢者医療制度に加入している方が亡くなったときが対象になります。申請しないと支給されないお金であり、役所が自動で振り込んでくれるわけではありません。

支給を受けられるのは、原則として葬祭を行った人=喪主です。金額や細かな要件は自治体によって異なるため、故人が住んでいた市区町村の案内を確認するのが確実です。

埋葬料・埋葬費とは(会社員などの健康保険の場合)

一方、故人が会社員・公務員など、勤務先を通じて健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)に加入していた被保険者だった場合は、「埋葬料」または「埋葬費」が支給されます。名前は似ていますが、これは葬祭費とは別の制度です。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内によると、内訳は次のとおりです。

  • 埋葬料 … 亡くなった被保険者によって生計を維持されていた方で、埋葬を行う方に支給。金額は原則5万円
  • 埋葬費 … 埋葬料を受け取れる方(生計維持関係にあった方)がいないとき、実際に埋葬を行った方に支給。5万円の範囲内で、埋葬に実際にかかった費用を支給。
  • 家族埋葬料 … 被保険者の被扶養者(扶養家族)が亡くなったとき、被保険者に支給。金額は原則5万円

つまり、生計を維持されていた家族がいれば「埋葬料」で一律5万円、そうした家族がいない場合は実費精算の「埋葬費」(上限5万円)という関係です。故人が扶養していた家族が亡くなったときは「家族埋葬料」で被保険者本人が受け取ります。

自分はどちらの対象?——故人の加入していた保険で決まる

葬祭費と埋葬料は、どちらか一方が対象になります。判断の基準は、亡くなった方(故人)がどの医療保険に加入していたかです。喪主や申請者の職業ではなく、故人の保険で決まる点に注意してください。

  • 故人が国民健康保険の加入者だった(自営業、無職、退職後に国保へ移った方など) → 葬祭費(市区町村)
  • 故人が後期高齢者医療制度の加入者だった(原則75歳以上など) → 葬祭費(後期高齢者医療広域連合/市区町村窓口)
  • 故人が会社員・公務員などで健康保険の被保険者だった → 埋葬料・埋葬費(協会けんぽ・健保組合など)
  • 故人が会社員などの家族(被扶養者)として健康保険に入っていた → 被保険者本人への家族埋葬料

迷いやすいのは、退職直後に亡くなったケースです。退職して国保に切り替わっていれば葬祭費、退職後も任意継続などで会社の健康保険に残っていた場合は埋葬料、といったように、亡くなった時点でどの保険証を持っていたかが分かれ目になります。手元の保険証で加入先を確認しましょう。

金額の目安

金額は制度と自治体によって差があります。あくまで目安として整理します。

葬祭費(国保・後期高齢者医療)

葬祭費の額は市区町村・広域連合ごとに定められており、自治体によって異なります。一般にはおおよそ1万〜7万円の範囲で、5万円としている自治体が多い傾向です。たとえば東京23区では7万円、その他の市町村では3万〜5万円程度、といった具合に幅があります。

正確な金額は、故人が住んでいた市区町村(後期高齢者医療は広域連合)の公式案内で必ず確認してください。同じ「葬祭費」でも自治体で額が変わります。

埋葬料・埋葬費(健康保険)

埋葬料・家族埋葬料は原則5万円です。埋葬費は5万円を上限に、実際に埋葬にかかった費用が支給されます。こちらは全国一律の考え方で、自治体による差はありません(健保組合が独自に付加給付を上乗せしている場合はあります)。

いずれの制度も「申請しないともらえないお金」です。金額の多寡にかかわらず、対象であれば忘れずに手続きしましょう。

申請期限——いずれも原則2年の時効

葬祭費・埋葬料には、どちらも時効があります。

  • 葬祭費 … 一般に葬祭を行った日の翌日から2年で時効により請求できなくなるとされています。
  • 埋葬料・埋葬費 … 協会けんぽなど健康保険の給付を受ける権利は、その権利が発生した日(埋葬料は死亡日、埋葬費は埋葬を行った日など)の翌日から2年で時効になります。

2年と聞くと余裕があるように感じるかもしれませんが、葬儀のあとは相続や各種解約など手続きが集中し、給付金の申請は後回しになりがちです。四十九日前後の落ち着いたタイミングで、他の手続きとあわせて済ませてしまうのがおすすめです。

時効の起算日の細かな考え方は制度・ケースによって違います。残り期間が気になる場合は、後述の窓口で正確な期限を確認してください。

必要書類

必要な書類は制度や自治体・保険者によって異なりますが、一般的には次のようなものが求められます。申請前に窓口へ確認しておくと二度手間を防げます。

葬祭費(市区町村)の場合

  • 亡くなった方の保険証(国民健康保険証/後期高齢者医療被保険者証)
  • 葬祭を行ったことがわかるもの(会葬礼状、葬儀の領収書など)
  • 申請者(喪主)が葬祭を行ったことが確認できるもの
  • 喪主名義の振込先口座がわかるもの(通帳など)
  • 申請者の本人確認書類、印鑑 など

※直葬・火葬式など、自治体によっては支給要件(会葬礼状の代わりに領収書で可、など)の扱いが分かれる場合があります。

埋葬料・埋葬費(協会けんぽ・健保組合)の場合

  • 健康保険埋葬料(費)支給申請書
  • 事業主の証明、または死亡を証明する書類(埋葬許可証や死亡診断書のコピー、住民票など)
  • 埋葬費を申請する場合は、埋葬に要した費用の領収書・明細
  • 振込先口座がわかるもの など

申請窓口——どこで手続きするか

申請先も、制度によって次のように分かれます。ここを間違えると手続きが進まないので、しっかり区別しておきましょう。

葬祭費 → 市区町村(または後期高齢者医療広域連合)

葬祭費は、故人が住んでいた市区町村の国民健康保険の窓口(後期高齢者医療の場合は、その窓口または広域連合)で申請します。国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失の手続きとあわせて行えることが多いので、役所に出向く際にまとめて相談するとスムーズです。

埋葬料・埋葬費 → 協会けんぽ支部・健康保険組合

埋葬料・埋葬費は、故人が加入していた協会けんぽの都道府県支部、または勤務先の健康保険組合に申請します。共済組合(公務員など)の場合は各共済組合が窓口です。申請書は保険者の公式サイトから入手できます。勤務先が手続きを案内・代行してくれることもあるため、まずは会社の担当部署に確認するとよいでしょう。

よくある誤解・注意点

「葬祭費」と「埋葬料」は両方はもらえない

葬祭費と埋葬料は、故人が加入していた保険で一方に決まるもので、両方を重複して受け取ることはできません。「どちらの制度も申請すればいい」と考えて二重に手続きしようとすると混乱します。まず故人の保険証を確認して、どちらの対象かを見極めるのが先決です。

会社の健康保険の「被扶養者」が亡くなったとき

会社員の家族(被扶養者)が亡くなった場合は、葬祭費ではなく、被保険者本人が受け取る家族埋葬料(原則5万円)が対象です。「家族だから国保の葬祭費かな」と思い込まず、どの保険で扶養されていたかで判断してください。

「埋葬料」と「埋葬費」は別物

同じ健康保険の給付でも、生計を維持されていた家族がいるかどうかで「埋葬料(一律5万円)」と「埋葬費(実費・上限5万円)」に分かれます。一人暮らしの方が亡くなり、生計維持関係にあった家族がいない場合は、実際に埋葬を行った方が「埋葬費」を申請する形になります。名前が一字違いなので、申請書の区分を間違えないようにしましょう。

自動では振り込まれない・金額と要件は変わりうる

いずれの給付も、申請して初めて支給されるお金です。役所や保険者が自動で処理してくれるわけではありません。また、葬祭費の金額や支給要件は自治体によって異なり、制度改正で変わることもあります。必ず公式の窓口・公式サイトで最新の情報を確認してください。

まとめ

葬祭費・埋葬料は、家族が亡くなって葬儀を行ったときに受け取れる、申請しないともらえない給付金です。ポイントを整理します。

  • どちらの制度か:故人が国保・後期高齢者医療なら「葬祭費」、会社員などの健康保険なら「埋葬料・埋葬費」
  • 誰が:葬祭費は喪主など葬祭を行った人/埋葬料は生計を維持されていた家族(いなければ埋葬を行った人が埋葬費)
  • いくら:葬祭費はおよそ1〜7万円(自治体により異なる・5万円が多い)/埋葬料・家族埋葬料は原則5万円(埋葬費は上限5万円の実費)
  • いつまでに:いずれも原則2年(放置すると時効で消滅)
  • どこで:葬祭費は市区町村(後期高齢者医療は広域連合)/埋葬料・埋葬費は協会けんぽ・健保組合など

まず故人の保険証で加入先を確認し、どちらの制度の対象かを見極めることが、もらい忘れと期限切れを防ぐいちばんの近道です。


手続きの全体像は無料ツール「モシュット」で

葬祭費・埋葬料の申請は、家族が亡くなったあとに発生する数十種類の手続きのうちの一つにすぎません。死亡届は7日以内、健康保険の資格喪失は14日以内、相続放棄は3か月、相続税申告は10か月——と、期限が異なる手続きが同時並行で押し寄せます

無料Webツール「モシュット」(https://moshut.jp) は、こうした死後の手続きを期限順のチェックリストにして、「いま何をすべきか」を一目で分かるようにしたツールです。葬祭費・埋葬料をはじめとする「申請しないともらえないお金」も、期限とあわせて確認できます。まずはここで全体像をつかんでおくと、抜け漏れを防げます。

さらに詳しく、「何を・いつまでに・どこで・何を持って」まで期限順に整理した実務ガイドが必要な方には、note有料記事「親が亡くなったあとの手続きガイド」もご用意しています。44の手続きを構造化し、ケース別チェックリストと記入式ワークシート「もしもの時ファイル」(PDF)を収録しています。


出典・参考

※本記事について 本記事の制度・数字(葬祭費・埋葬料の支給額、時効の期間、必要書類など)は、2026年時点の一般的な情報をもとに整理したものです。葬祭費の金額・支給要件は自治体(市区町村・後期高齢者医療広域連合)によって異なり、制度改正により変わることもあります。実際の手続きの際は、必ず故人が加入していた市区町村・協会けんぽ・健康保険組合など、各公式窓口・公式サイトでご確認ください。

本記事は一般的な制度と手続きの流れを解説したものであり、個別の税務・法律に関する助言ではありません。