公的一次情報にもとづく実務ガイド最終確認 2026-07-24

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未支給年金の請求は誰が・いつまでに?親の死後にもらい忘れない手続きガイド

親が亡くなったあと、ほとんどの遺族に「未支給年金」の請求手続きが発生します。結論を先にお伝えすると——請求できるのは故人と生計を同じくしていた遺族(配偶者・子・父母などの順)、期限はおよそ5年、窓口は年金事務所または街角の年金相談センターです。年金は「亡くなった月の分まで」受け取る権利があるため、申請しないと本来もらえるはずのお金が時効で消えてしまいます。この記事で、何を・いつまでに・どこで手続きすればよいかを整理します。

未支給年金とは何か

未支給年金とは、年金を受け取っていた方が亡くなった時点で、まだ支払われていなかった年金のことです。

公的年金は「後払い」の仕組みで、原則として偶数月に前月・前々月の2か月分がまとめて振り込まれます。たとえば4月分・5月分の年金は6月に支払われます。このため、受給者が亡くなると、亡くなった月の分までの年金が「まだ振り込まれていない=未支給」の状態で必ず残ります。

この未支給分は、故人の口座に自動で振り込まれるわけではありません。遺族が自分で請求して初めて受け取れるお金です。金額は人によって異なりますが、亡くなったタイミングによっては2〜3か月分に相当することもあります。

一般的に「申請しないともらえないお金」の代表例として、葬祭費・埋葬料などと並んで挙げられるのがこの未支給年金です。

未支給年金を請求できる人(生計同一の遺族の順位)

未支給年金は誰でも請求できるわけではありません。日本年金機構の案内によると、請求できるのは故人と「生計を同じくしていた」遺族で、次の順位で決まります。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. 上記(1)〜(6)以外の3親等内の親族

先順位の人がいる場合、後順位の人は請求できません。 たとえば配偶者が存命であれば、子は請求できないのが原則です。

「生計を同じくしていた」とは

ここでポイントになるのが「生計を同じくしていた(生計同一)」という条件です。これは必ずしも同居を意味しません。日本年金機構の説明では、次のようなケースも生計同一と認められうるとされています。

  • 故人と同居していた
  • 単身赴任・入院・施設入所などで住民票上は別でも、生活費や療養費を送金していた、または定期的に音信・訪問があった

別居していても、仕送りなどで生活を支えていた関係があれば請求できる可能性があるということです。逆に、同居していないうえに経済的なつながりも証明できない場合は、生計同一と認められないこともあります。

なお、住民票上の世帯が別だった場合には、「生計同一関係に関する申立書」など、別途申立てが必要になるケースがあります。詳しくは後述の窓口で確認してください。

請求期限(時効)——およそ5年

未支給年金には時効があります。日本年金機構は、年金を受ける権利(未支給年金を含む)は、その支払日の翌月の初日から起算して5年で時効により消滅するとしています。

つまり、受給権者が亡くなった当時にまだ支払われていなかった年金は、放置するとおよそ5年で請求できなくなると考えておくのが安全です。

5年と聞くと余裕があるように感じるかもしれませんが、親の死後は葬儀・相続・各種解約など手続きが集中し、年金のことは後回しになりがちです。後述する「年金受給権者死亡届」の提出とあわせて、四十九日前後の落ち着いたタイミングで一度まとめて手続きすることをおすすめします。

時効の起算日の考え方は、状況によって細かな違いがあります。ご自身のケースで残り期間が気になる場合は、正確な時効日を年金事務所で確認してください。

必要書類

未支給年金の請求に使うのは、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」という1枚の様式です。名称が長いですが、これ1つで「年金を受けていた人が亡くなったことの届出」と「未支給年金の請求」を兼ねられる仕組みになっています。

添付が必要になる主な書類は、一般に次のとおりです(ケースにより増減します)。

  • 亡くなった方の年金証書
  • 亡くなった方と請求する方の続柄が確認できる書類(戸籍謄本など)
  • 亡くなった方の住民票(除票)および請求する方の世帯全員の住民票など、生計を同じくしていたことを確認できる書類
  • 請求する方本人のマイナンバー確認書類
  • 受取先となる請求者名義の金融機関の口座がわかるもの(通帳やキャッシュカードの写しなど)

別居していた場合など、状況によっては前述の生計同一関係に関する申立書や、第三者による証明が求められることもあります。マイナンバーが日本年金機構に収録されている場合は、住民票などの一部書類を省略できることもあるため、手続き前に窓口へ必要書類を確認しておくと二度手間を防げます

請求窓口——どこで手続きするか

未支給年金の請求先は、故人が受けていた年金の種類によって次のように分かれます。

国民年金・厚生年金の場合

  • お近くの年金事務所
  • 街角の年金相談センター

どちらでも手続きできます。窓口が混雑していることもあるため、事前に電話で予約や必要書類の確認をしておくとスムーズです。年金事務所や相談センターの所在地・予約方法は、日本年金機構の公式サイトで確認できます。

共済年金(公務員など)の場合

故人が公務員や私立学校の教職員だった場合など、共済制度に加入していたときは、各共済組合が窓口になります。加入していた組合に問い合わせてください。

なお、亡くなった方が老齢基礎年金・老齢厚生年金のみを受けていた場合は、日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば「死亡届」自体は原則不要とされることがあります。ただし、未支給年金の請求は別途必要です。届出が不要でも請求は忘れずに行いましょう。

よくある誤解・注意点

「死亡届を出せば年金も自動で処理される」わけではない

市区町村へ提出する死亡届(戸籍上の届出)と、年金の受給停止(年金受給権者死亡届)、そして未支給年金の請求は、それぞれ別の手続きです。

  • 市区町村の死亡届 … 戸籍・埋火葬などのための届出
  • 年金の受給停止 … 年金の支払いを止めるための届出
  • 未支給年金の請求 … 未払い分を遺族が受け取るための請求

前述のとおり、受給停止と未支給年金の請求は同じ様式で兼ねられますが、市区町村への死亡届とは別物です。「役所に死亡届を出したから年金も終わり」と思い込むと、未支給分の請求を取りこぼしてしまいます。

受給停止(過払い)と未支給年金は違う

「年金を止める」手続き(受給停止)は、払いすぎを防ぐためのものです。届出が遅れて亡くなった月以降の分まで振り込まれてしまうと、後で返還を求められることがあります。一方、未支給年金はまだ払われていない正当な分を受け取る手続きで、方向が逆です。この2つは混同しやすいので、区別しておきましょう。

口座凍結との関係

金融機関は名義人の死亡を把握すると、その口座を凍結します。ここで大切なのは、未支給年金は故人の口座ではなく、請求する遺族本人名義の口座で受け取るという点です。したがって、故人の口座が凍結されていても未支給年金の受け取り自体はできます。故人名義の口座に振り込まれるのを待つ手続きではない、と理解しておくと安心です。

まとめ

未支給年金は、親が亡くなったときに多くの遺族に発生し、かつ請求しないともらえないお金です。ポイントを整理します。

  • 誰が:故人と生計を同じくしていた遺族(配偶者→子→父母…の順)
  • いつまでに:およそ5年(放置すると時効で消滅)
  • どこで:年金事務所または街角の年金相談センター(共済年金は各共済組合)
  • 何を使って:「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」+ 生計同一を示す書類など

年金の手続きは、死亡届・受給停止・未支給年金請求が入り組んでいて分かりにくいものです。「何を・いつまでに・どこで・何を持って」を一覧で把握しておくことが、もらい忘れと期限切れを防ぐいちばんの近道です。


手続きの全体像は無料ツール「モシュット」で

未支給年金は、親が亡くなったあとに発生する数十種類の手続きのうちの一つにすぎません。死亡届は7日以内、年金の受給停止は10〜14日以内、相続放棄は3か月、相続税申告は10か月——と、期限が異なる手続きが同時並行で押し寄せます

無料Webツール「モシュット」(https://moshut.jp) は、こうした死後の手続きを期限順のチェックリストにして、「いま何をすべきか」を一目で分かるようにしたツールです。未支給年金を含む「申請しないともらえないお金」も、期限とあわせて確認できます。まずはここで全体像をつかんでおくと、抜け漏れを防げます。

さらに詳しく、「何を・いつまでに・どこで・何を持って」まで期限順に整理した実務ガイドが必要な方には、note有料記事「親が亡くなったあとの手続きガイド」もご用意しています。44の手続きを構造化し、ケース別チェックリストと記入式ワークシート「もしもの時ファイル」(PDF)を収録しています。


※本記事について 本記事の制度・数字(請求できる遺族の順位、時効の期間、必要書類など)は、2026年時点の一般的な情報をもとに整理したものです。金額・期限・必要書類は加入していた制度や個別の状況によって異なる場合があり、制度改正により変わることもあります。実際の手続きの際は、必ず日本年金機構および最寄りの年金事務所・街角の年金相談センターの公式情報でご確認ください。

本記事は一般的な制度と手続きの流れを解説したものであり、個別の税務・法律に関する助言ではありません。